#3“クリーンエネルギー、資源の中国の関与、労働環境への配慮→コスト上昇”情報のメモ化
A: Spiegel 記事、“クリーンテクノロジーに関する汚れた真実”
ドイツのSpiegelという雑誌の記事を読みながら自習をしていく、今回がラストです。興味深い情報をメモ化し、勝手な感想を加えていこうと思います。
引用元記事のタイトルは“The Dirty Truth About Clean Technologies”で、“クリーンテクノロジーに関する汚れた真実”と言う感じで訳しました。
前回からの続きです。リンク
では、さっそく私が興味を持った情報を、ひとくちメモ化していきます。
()の番号はメモの通し番号で、[ ] 内は個人的な感想、コメント、ツッコミです。
B: “中国の資源への関与”のメモ素材
(12)中国は多数の資源の最大のサプライヤーであり、パートナーとなる国と従属的なネットワークを構築している。資本をチリ、ボリビア、コンゴなどの国に投下して、採掘権を獲得し、希少な資源へアクセスしている。
[記事の中では、具体的な金額などのデータが無かったので、この点は別の機会にデータを見つけてきて、メモを作ると面白いかもしれませんね。一帯一路構想のなかで、中国が途上国に資金を貸付けて、返済ができなくなると、当該国のインフラの使用権を抑える言う話はよく聞きますよね。また、新疆ウイグルにおいて、太陽光発電ユニット生産のための原料の加工などが行われており、この工程の中で、強制労働が行われているのではないかという報告もされているので、後日この点も自習し、メモ化しようかなと考えています。
さあ、果たして未来において、“クリーンエネルギー”は環境は勿論、労働者の人権も尊重し、“クリーン”に排出削減目標を達成できるだけの規模で、世界的に普及できるのでしょうか?]
(13)中国は鉱物資源から電気自動車のバッテーリーに至る、すべての生産工程をカバーするのを目的としている。例:中国は、世界のリチウムイオン電池の生産能力の75%をコントロールしている。
“クリーンエネルギーの人権への配慮→コスト増”のメモ素材
(14)BMW社が打ち出した方針=“児童労働による採掘がおこなわれていたり、採掘過程で、水資源の汚染がされている鉱山からの原材料は使わないとの方針。
(15)BMWはリチウムやコバルトをコンゴのようなケース=採掘が素手で行われている採掘業者からは購入しない。
BMWは購入元を、慎重に精査し、モロッコ、オーストラリア、アルゼンチンなどの企業から購入している。購入元企業の選定は厳格に行っている。その選定の中で、100社以上の会社とは契約できなかった。
[資源の生産の現場における、人権や環境問題への関心は、消費者や投資家の間で高まっているわけですよね。以前なら、サプライヤーの選定、継続的に発生するモニタリングの費用は無視できたわけですが、世界的規模での資源の需要の伸びに対応し、はたして資源の供給元が労働環境や自然環境に配慮しているのか、法令を遵守しているのか、今後はこの点に関連する費用が増加することが予測されます。}
C: 感想+今後の勝手な予測
[中国による不安定要因:今回の学習とメモ作成において、やはり、中国の存在は無視できないリスクだと思いました。過去にも、外交問題で中国と衝突した国々、フィリピン、台湾、オーストラリア、そして日本などは、一方的に、農産品や石炭の輸入停止、レアアースの輸出停止を経験しています。過去の前例を踏まえると、日本がクリーンエネルギーや電気自動車の普及に傾斜しすぎた場合、中国側が大きくシェアを管理する原材料、製品に関する輸出の停止を、外交カードとして使う可能性は予見できそうですね。]
[選定、監視コストの発生:今回の別の論点はBMW社のケースで見たように、企業はますます、資源産出における労働環境や環境への配慮を要求されていくという点ですよね。この点に関しては当然、コストが発生するし、問題を起こした取引先からの原料や部品の供給は停止せざる負えない状況も予測されます。
また、BMWは問題のある100社以上の取引先と契約ができなかったというケースからもわかるように、基準をクリアーできる原料供給国、供給会社の数は限定されるわけですよね。この点は、安定的な供給量の確保の阻害要因になりそうですね。
前回の情報(鉱物資源の需要の急増→資源価格の上昇の予測)も踏まえ、将来の価格の安定性や、資源や設備の安定供給という点で、いくつか問題点があるなという印象を持ちました。故に、今後、お金のある国は、クリーンエネルギーの設備を導入し更新でき、お金のない国は設備を導入できない自体になるのではないかと懸念しています。]
D: Reference
Jens Glüsing, Simon Hage, Alexander Jung, Nils Klawitter and Stefan Schultz 2021, The Dirty Truth About Clean Technologies, viewed 24th 11 2021, https://www.spiegel.de/international/world/mining-the-planet-to-death-the-dirty-truth-about-clean-technologies-a-696d7adf-35db-4844-80be-dbd1ab698fa3
E: SNSで定期Update
週2-3回ぐらいのペースで自習の過程、情報を上げる予定です。情報をその都度受け取りたい方はSNSのフォローよろしくおねがいします。
F: 自習屋の目的とは?
国内外の政治経済、歴史、文化などをテーマに、情報を集めて自習しています。自習の過程で触れた、興味深かった情報、データを、要約、小分けして、メモ化=素材化していくのがこの自習屋の目的です。
例えるなら、(1)魚を釣る(海外英語メデイア、国内外の論文、一次資料などを見つけて、自習する)。(2)魚を捌いて、切り身や刺し身化する(興味深い点の要約メモを作る)。私が、その素材を料理する際=議論の組み立て、別の学習をする際に、その情報を利用しやすい素材メモにしておくのが目的です。
時々、[ ]内に、その情報に対する、どういうふうに料理すれば使えそうか、味付けの方向性=コメントやツッコミも入れていこうかと思います。
G: あくまでも参考に
このブログは、私の自習のメモ、興味深かったデータ、学習の過程と記録です。ゆえに、正確ではない情報や、誤訳などが含まれている可能性があるので、参考程度にお読みいただければと思います。正確な情報を必要とされている方は、引用元などを添付しておきますので、そちらも参考にしていただければと思います。